• Eggshell Membrane

    卵殻膜とは、卵の殻の内側にある薄い膜のこと。
    天然素材であり、エコフレンドリーであり、安全な素材です。
    医療・食品・化粧品の各分野に適用できるバイオマテリアル素材として、
    今後も東京大学・帝京大学との共同研究を進めてまいりたいと考えています。

Research Scientists

  • 跡見 順子(あとみ よりこ) 東京大学名誉教授
    帝京大学 先端総合研究機構寄付講座 特任教授
    東京農工大学客員教授

    分子、細胞、組織、個体、ヒト、人間の各階層での研究とそれらをつないで生み出されるトータルとしての人間がより良く生きるための健康寿命延伸科学創成を目指している。
    著書:「細胞力」を高める(論創社)など

  • 清水 美穂 (しみず みほ) 帝京大学 先端総合研究機構寄付講座 特任准教授
    東京農工大学客員准教授

    自分の健康に役立つ細胞外マトリクス・ストレスタンパク質の研究を推進。
    細胞・マウス・ラットからヒトの研究までトータルに細胞・身体の適応科学を追求している。

  • 城崎 美保(じょうざき みほ) 株式会社アルマード 商品開発担当
    卵殻膜共同研究チームリーダー

    卵殻膜を用いた化粧品やサプリメントの商品化を担当。
    東京大学、帝京大学と卵殻膜に関する共同研究を実施。卵殻膜原料のアップデートも日々研究を進めている。

Research Vision

人生120年時代を可能にする
卵殻膜の力とは?

卵殻膜とバイオテクノロジーの力で、世界中の人々の人生に健康と美しさを創り出す。それがアルマードの理念です。400年以上も前から語り継がれてきた卵殻膜の可能性は、最先端科学に携わる研究者の方々から見てもとても魅力的だといいます。「人生120年時代」すら可能にするという卵殻膜の力について、共同研究を行う先生方にお話を伺いました。

卵から雛がかえる。生命を生み出す秘密が研究の出発点

2007年から共同研究を開始して17年目。
研究開始当初のことを振り返り、産学連携をスタートしたときの印象を教えてください。

  • 跡見
    2007年より連携が始まりました。 当初は、東京大学の教授陣に向けて「卵殻膜が持つ力を研究したい」とアルマードさんから打診があったことがきっかけでした。
    当時は先端科学から健康を考えるという分野はまだ未成熟でしたが、体の基となる細胞からヘルスケアを考えるというのはチャレンジングで興味が湧いたことを覚えています。
    とはいえ、最初は「なぜ、卵殻膜?」と思いました。でもそのあと長谷部ファウンダーと会って考えが変わりましたね。
    Ⅲ型コラーゲンと卵殻膜に関する仮説は非常に興味深かったですし、「卵から雛がかえるのはなぜ?それに、民間療法では卵殻膜を傷に貼るとキレイに治る。卵殻膜に秘密の力があるのでは」という長谷部ファウンダーの素朴な疑問には納得感がありました。率直になかなか面白いと思ったのです。というのも、卵殻膜はメッシュワーク構造でできているのですが、これは私が研究してきた骨格筋と似た構造です。0.1マイクロメートルという薄さの基底膜という名前で、その構造が卵殻膜と似ているのです。
    例えば現在研究が進んでいる幹細胞についても、筋肉の基底膜とくっついているとずっと生きて活動していく。そうした研究をしてきたので、卵殻膜のメッシュワーク構造に載せてみたら同じような働きが期待できるのではと考えました。当初はなかなか理解されませんでしたけど。
    私たち人間は37兆個の細胞と細胞が分泌する細胞外マトリックスでできていますが、その細胞自体はコラーゲンなどを分泌します。細胞には基本構造があり、卵殻膜にも似た構造があることが分かりました。よく考えたら、卵から雛がかえるというのも、卵をお母さんのおなかの中と同じ状態に保たないといけないという観点から、当然すごいレベルでないといけないですよね。
    そうして卵殻膜を調べたら0.07㎜という薄さでも3層構造を持っており、酸素は通しても栄養素を含む水分は漏らさない、紫外線も通さない、抗菌・抗ウイルス効果もある。だから雛がかえる。これはすごい物質だぞと思いましたね。どうやって種を保存していくか。長い間で獲得し、進化してきた知恵が詰まっているのです。
    その後、30名の女性を対象とした加水分解卵殻膜入りの化粧水とクリームを塗布する研究でも、卵殻膜の力は明らかになりました。2週間で肌の水分含有率、3カ月で弾力性が統計的に有意に上昇したのです。卵殻膜の可能性を強く感じた瞬間でしたね。
私たち人間は37兆個の細胞と細胞が分泌する細胞外マトリックスでできていますが、その細胞自体はコラーゲンなどを分泌します。細胞には基本構造があり、卵殻膜にも似た構造があることが分かりました。よく考えたら、卵から雛がかえるというのも、卵をお母さんのおなかの中と同じ状態に保たないといけないという観点から、当然すごいレベルでないといけないですよね。
そうして卵殻膜を調べたら0.07㎜という薄さでも3層構造を持っており、酸素は通しても栄養素を含む水分は漏らさない、紫外線も通さない、抗菌・抗ウイルス効果もある。だから雛がかえる。これはすごい物質だぞと思いましたね。どうやって種を保存していくか。長い間で獲得し、進化してきた知恵が詰まっているのです。
その後、30名の女性を対象とした加水分解卵殻膜入りの化粧水とクリームを塗布する研究でも、卵殻膜の力は明らかになりました。2週間で肌の水分含有率、3カ月で弾力性が統計的に有意に上昇したのです。卵殻膜の可能性を強く感じた瞬間でしたね。

卵殻膜がⅢ型コラーゲンの生成を促し、若さを保つ。
世界的に価値の高い発見

卵殻膜が持つどんな力に着目し、どのような研究をされていますか?

跡見
主に細胞の力について研究しています。研究の中で卵殻膜が細胞に働きかけて「若返り三銃士」と呼ばれている遺伝子の発現を高めていることが分かりました。「Ⅲ型コラーゲン」「デコリン」「MMP2」です。
まず前提として、細胞はターンオーバーを繰り返すことで生命を保っています。実は細胞は仕事をしないと死んでしまいます。仕事がない状態になると「体にとって不要」と判断して、アポトーシス(個体をより良い状態に保つために積極的に引き起こされる、プログラムされた細胞死)がおこります。
多くの人から関心の高い「老化」はこの細胞内のタンパク質のターンオーバーがゆるやかになることで進行するのです。
若返り三銃士のひとつ、Ⅲ型コラーゲンは細胞外基質のターンオーバーを促す働きがあるといわれており、身体の生体恒常性の維持に欠かせないものです。
もし卵殻膜がⅢ型コラーゲンと同じ働きをもつならば、卵殻膜は若返りに繋がるのではないかと考えました。
一般的なサプリメントは栄養素を補うだけですから、細胞はただ取り込むだけであまり仕事をしません。ですが、卵殻膜を取り込むと、Ⅲ型コラーゲンなどを細胞自身がつくるように活性化させることができるのです。 そこで、実際の真皮細胞の環境を疑似的に作り、人の皮膚の線維芽細胞で、卵殻膜に結合した細胞がどのような遺伝子を誘導するかを調べました。
通常はシャーレに細胞がくっつくように加工されているので、そのままでは実験になりません。シャーレに特殊な高分子を塗って、それに水に溶けるように開発された加水分解卵殻膜を結合し、その上にヒトの線維芽細胞を接着させて細胞外基質の遺伝子発現をみました。
実は多くの研究者は、「細胞は増えれば良いと考えており、シャーレ全面に亘って細胞がうめつくす状態」で遺伝子発現をみているのですが、皮膚の断面写真でみると、真皮では細胞と細胞は離れて存在しています。
そのような細胞同士の状態をつくりあげ、改めて遺伝子発現をみてみると、細胞が生きる環境である細胞外マトリックスのⅢ型コラーゲンを含む3つの遺伝子発現の組み合わせがあることがわかりました。その3つの組み合わせの鍵が「若返り」だったのです。私たちの体の中での細胞たちの状態を再現するような実験がとても大事であることがわかりました。
清水
その後、加水分解卵殻膜を毛がないマウスの皮膚に塗布すると、なんと、同じ組み合わせの遺伝子が有意に増加したのです。天然素材がもつ大きな力を感じましたね。
卵殻膜が美と健康と長寿へと導く、世界的にも非常に価値のある大発見でした。
跡見
ちなみに若返り三銃士のひとつⅢ型コラーゲンは、赤ちゃんの皮膚に20%くらいあるものの、大人になると10%ほどに減ってしまいます。また老化によって真皮構造の外側にある乳頭層も減ってしまう。そこも卵殻膜によって増やせることが分かりました。
清水
その部分は毛細血管が発達しているべき箇所。細胞は血流にのって栄養素が運ばれてきて成長するので、毛細血管がないと死んでしまいます。毛細血管が発達していないと皮膚全体のホメオスタシス(生体恒常性)が悪くなる。だから加齢でなにもしない、紫外線に長くさらされるといったことから、乳頭層が壊れることを防ぐことが大切です。卵殻膜は乳頭層も含めたケアができることで、生き生きとした状態を保つことにつながるのです。

身体本来の力を底上げする。それが卵殻膜の最大の魅力

研究を進める中で感じる、「卵殻膜の凄さ」について教えてください。

  • 跡見
    膝にいいというサプリメント、主にヒアルロン酸は昔からありましたが、食べたものがそのまま身体で機能するわけではありません。一方、卵殻膜は自身の体=細胞に働きかけて症状を改善していくものなので、何かを足していくのではないわけです。身体本来の力を底上げするというか。健康になろう、いい状態を保とうという本人の希望に寄り添い、細胞に力を与えてくれる。自然由来だからこその魅力を感じます。
    清水
    そうですね。卵殻膜はすでに肌の弾力性の向上に始まり、肝臓、腸、脂質代謝など、幅広い分野に対して効果があることが実証されています。
    加齢や喫煙などで減少していくⅢ型コラーゲンやデコリンを、卵殻膜が発現、活性化することで、健康や美容につながっていきます。
    実は卵殻膜の力は、これまで人類の長い歴史の中でも語り継がれてきました。例えば16世紀に書かれた中国の薬学書「本草綱目」にも記載がありますし、日本でも昔から相撲部屋などで卵殻膜を傷に貼るとキレイに治るといった、民間レベルでも浸透していたのです。それを最先端テクノロジーでしっかりと実証することができたわけですが、まだまだ実験中のジャンルもあります。日々の実証実験の中では、研究している私たち自身がワクワクするほど、卵殻膜に秘められた大きな可能性を実感しています。

数多くの特許取得。エビデンスをもとに進化し続ける商品開発

そんな卵殻膜の力を使い、サプリメントや化粧品などの商品開発にどうつなげていきましたか?

城崎
卵殻膜は線維構造が強いため、水、油にも溶けず、熱にも強い、食べても消化吸収されない。だからただ食べるだけでは効果が期待できません。そんな中、アルマードは卵殻膜の応用研究を続けてきました。結果、卵殻膜に関する特許出願数は47本、卵殻膜研究論文の掲載は11本に。
最初は加水分解して化粧品に、細かく粉砕して食品に、と進めてきましたが、現在では卵殻膜の消化吸収効率をより上げるために、微粉砕やボールミル粉砕という独自の加工技術を生み出すなど、様々な試みを行っています。
※2023年11月現在
清水
ボールミル粉砕はかなり効果的だと思います。繊維というのはどこまで粉砕しても繊維であり続ける。粒子、ナノサイズになってもです。
そこで、これまでの微粉砕とボールミル粉砕で卵殻膜を計測したところ、ボールミル粉砕ではまずは大きさが均一化されているという点、そしてエンドサイトーシス(細胞が外部から物質を取り込む現象。外部から栄養物質の取り込み、細胞増殖の制御、神経伝達物質の放出サイクルなど、様々な生命現象において非常に重要)が起こるサイズを達成できている点が大きいです。従来と比べて吸収効果が上がることが期待できるのです。
跡見
また、卵殻膜は600~700種類のたんぱく質で構成されているのですが、体に入った際、なにがどのように作用しているかがこれまでわかりませんでした。
現在はトリチウムでラベリングすることでそれが追えるようになりました。そしてマウス実験では全身組織、脳まで作用していることも判明しました。
つまり卵殻膜は全身に対して、美と健康の両面から有意に働いてくれる力を秘めているわけですね。まだまだこれから研究を進めていけば、さらに卵殻膜の新たなポテンシャルが発見できるのではと思っています。

卵殻膜を使った基礎化粧品やサプリメントをお使いになっていると伺っています。
愛用者として実感されている卵殻膜の力をお教えください。

跡見
製品を使っている方々の会合などにいくと、皆さんとてもお元気です。歩くのが早い早い!
さらに、ヒト研究で皮膚の弾力性の向上に加え、運動機能の向上も実証しています。20代から60代を対象とした実験なので全年代に効果があると考えていいと思います。
私自身、弾力性がすごく上がると実感している日もたくさんありますよ。
城崎
また、化粧品では利用者の方々からよく聞かれた卵殻膜特有のにおいも軽減できるように日々開発を進めています。卵殻膜濃度が高いほどにおいが強いのですが、気にならなくなったという声も増えました。またアミノ酸含有量も加水分解の方法を工夫し、含有量を増やしています。
跡見
弾力性がすごく上がる。実感している日もたくさんありますよ。
跡見
でも本当に効果を実感できるから、少々のにおいは気になりませんよ。効果の高さのほうが魅力的です。代わるものがないと自信をもって言えますよ。
元気でいられるので私は120歳まで研究を続けられると思っています。
清水
卵殻膜の分野では世界的に見ても日本が最先端だと思います。まさに日の丸サプリメントですね。

科学的に卵殻膜の力を実証し、世界の美と健康に寄り添う会社であり続ける

今後の卵殻膜の可能性、アルマードが目指す商品開発の展望を教えてください。

  • 城崎
    化粧品の分野では、肌のハリ、弾力以外にシスチンという物質も多く含むことで、美白効果の可能性もありますね。
    清水
    そう。夏を挟んで肌状態を比較していく実験では、シミに有効な結果も出ました。人間が本来持っている修復機能が上がるということかなと考えています。
    城崎
    健康食品の分野では、例えばバランスのいい成長を促す力など仮説段階のものがたくさんあります。エビデンスをもとに、引き続きより多くの分野の商品化を予定しています。
    清水
    病気を未然に防ぐ予防医療への応用も考えられますよね。細胞に力を与え、自己修復能力や免疫力を高められる卵殻膜にはさらなる期待ができると思います。
    跡見
    今後再生医療など医学の分野にも進出できるポテンシャルも十分あると思いますよ。
    城崎
    本当に皆さんに知ってほしい夢の素材です。天然素材の強さ、魅力ってすごいですよね。

世界が注目する卵殻膜のパワーを活用することで、どんな世界を実現する会社でありたいでしょうか。

城崎
自然由来の卵殻膜は、いまや世界が注目する安心・安全な素材です。健康長寿、元気に若々しく長生きをしてもらいたい。アルマードはこれからも、科学的に実証されたエビデンス先行の製品によって、世界中の人々の美と健康に寄与する会社でありたいと思っています。
跡見
ヘルスリテラシーの向上にもつながってほしいですね。お話ししてきた通り、卵殻膜は自身の体に働きかける物質です。何かを治すのも向上させるのも自身の力でできる。生きているということを実感できる物質なのです。卵殻膜を通じて自分の体を発見する、本当の意味で健やかな暮らしを実現してほしいですね。

Research Achievements

アルマードと
跡見順子先生清水美穂先生

  • 日本宇宙生物科学会第37回大会

    天然創傷治癒素材ニワトリ卵殻膜は細胞外マトリックスに対する線維芽細胞の修復的メカノレスポンスを促進して皮膚ホメオスタシスを守る

  • 第22回国際栄養会議

    卵殻膜が超高齢社会を救う

  • セルバイオ2022-米国細胞生物学会・欧州分子生物学機構合同会議

    卵殻膜はⅢ型コラーゲンとデコリン発現を伴う皮膚・肺組織の恒常性を促進しブレオマイシンマウスモデルの肺線維症を減弱する

  • 第45回日本分子生物学会年会

    天然創傷治癒素材卵殻膜は機械的ストレスに対して本質的に適応的な細胞 -マトリックス相互作用を介してアンチエイジングをもたらす

  • 第29回日本未病学会学術総会

    未病予防のための「良い姿勢」~心身を一体化する身体調律と細胞に活力を与える天然素材卵殻膜

  • 第55回日本結合組織学会学術大会

    可溶化卵殻膜はヒト肺線維芽細胞WI-38のデコリン分泌を亢進する

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